Customers Mail Cloudではプログラム側からデータを取得したり、メールを送信するWeb APIの他に、Customers Mail Cloudでメールを受信した時にイベントを伝えてくれるWebhook APIが用意されています。
Webhook APIを使うことで、自前でメールサーバを立てずにメール受信のタイミングでシステムを起動させられるようになります。メールサーバを安定して動作させ続けるのはメンテナンスコストが大きいですが、Customers Mail Cloudを使うことで簡単にメールと連携したシステムが作れるようになるでしょう。
今回はAWS LambdaでNode.jsを使ってメールを処理する流れを紹介します。
フォーマットはJSONとマルチパートフォームデータ
Webhookの形式として、JSONとマルチパートフォームデータ(multipart/form-data)が選択できます。この二つの違いは、添付ファイルがあるかどうかです。JSONの場合、添付ファイルは送られてきません。メールに添付ファイルがついてくる可能性がある場合は、後者を選択してください。
今回はJSONフォーマットにおけるWebhook処理について紹介します。
AWS Lambdaの準備
AWS Lambdaで新しい関数を作成します。その際、条件として以下を指定します。
- ランタイム
Node.js 22.x - 関数 URL を有効化
チェックを入れる - 認証タイプ
NONE
関数の作成が完了したら、関数コードを編集します。ベースになるコードは以下の通りです。
export const handler = async (event) => { // TODO implement const response = { statusCode: 200, body: JSON.stringify('Hello from Lambda!'), }; return response; };
Webhookで受け取るデータについて
Webhookを使ってPOSTされるJSONデータは、次のようになっています。
{ "filter": "info@smtps.jp", "headers": [ {"name": "Return-Path", "value": "<user@example.com>"}, : {"name": "Date", "value": "Thu, 27 Apr 2023 15:56:26 +0900"} ], "subject": "Webhookのテスト", "envelope-to": "user@smtps.jp", "server_composition": "sandbox", "html": "<div dir=\\\\\\\\\\\\\\\\"ltr\\\\\\\\\\\\\\\\">Webhookのテスト用メールです。<div>...</div></div>", "text": "Webhookのテスト用メールです。\\\\\\\\\\\\\\\\r\\\\\\\\\\\\\\\\n\\\\\\\\\\\\\\\\r\\\\\\\\\\\\\\\\n--\\\\\\\\\\\\\\\\r\\\\\\\\\\\\\\\\n...", "envelope-from": "info@smtps.jp" }
JavaScriptのコード
処理は index.mjs
に記述します。
export const handler = async (event) => { // ここに処理を記述 const response = { statusCode: 200, body: JSON.stringify('ok'), }; return response; };
送られてくるデータは event.body
で受け取れます。
const params = JSON.parse(event.body);
後は、このオブジェクトから必要な情報を取り出して処理を行います。
console.log(params.filter); // info@smtps.jp console.log(params.subject); // Webhookのテスト
Webhookの結果は管理画面で確認
Webhookでデータが送信されたログは管理画面で確認できます。送信時のAPIキー設定など、HTTPヘッダーを編集するといった機能も用意されていますので、運用に応じて細かなカスタマイズが可能です。
まとめ
メールと連携したシステムはよくあります。通常、メールサーバを立てて、その中で処理することが多いのですが、メールサーバが落ちてしまうとシステムが稼働しなくなったり、メール文面の解析が煩雑でした。Customers Mail Cloudを使えばそうした手間なくJSONで処理できて便利です。