SMTPリレーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。恐らく知っているのはメールマーケティングや、大量のユーザを抱えるコミュニケーションサービスなどに関わっている方々だと思います。今回はこのSMTPリレーという用語についてご紹介します。
メールの仕組み
いきなりSMTPリレーに入る前に、まずメール(いわゆる電子メール)の仕組みを紹介します。メールはインターネットが登場した時から存在しており、今なおオンラインコミュニケーションの基本になっています。メールを送る際には、自分たちのメールサーバから受け取り側のメールサーバにデータが送られます。もちろん、同じドメイン同士のメールであれば、インターネットを経由する必要なくサーバ内だけで完結できます。しかし異なるドメインの相手に配信する際には、別なメールサーバに接続する必要があります。異なるメールサーバへの接続はユーザが行うのではなく、メールサーバが代行して行ってくれます。
現在は十分に堅牢でハイスペックなサーバがメールシステムを支えていますが、インターネット初期の頃はそんなことはありませんでした。メールサーバ同士が直接つなげられず、別なサーバを経由して(リレーして)配信するケースもありました。これがSMTPリレーと呼ばれるものです。技術的には昔から存在していましたが、現在は一般的な個人間のメール送受信に対して使われるものではありません。
SMTPリレーが必要になるとき
メールの利用量が増えるきっかけになったのがメールマーケティングではないでしょうか。それまでの郵送、FAXに比べると圧倒的に低コストに、そして多くのユーザーに対して様々な情報を届けることができますし、CTRも悪くありません。しかし、これを悪用して迷惑メールを送信する事業者も存在します。このため、多くのメールサービスプロバイダでは迷惑メールフィルタを導入しており、メールが届かない、または届いていても迷惑メールフォルダに入ってしまう状態です。
個人間で送っているメールというのは内容が毎回異なり、配信量も多くないためにスパム判定されることは殆どありません。問題はメールの文面が殆ど一緒であり、かつ大量に配信される場合です。大量のメールを受け取ったメールサーバでは、それをスパムメールであると判定する可能性が高くなります。
また、メールの配信コストは安いですが、一通一通送るのには数秒かかってしまいます。そうなると10万通送るのに数十時間かかってしまう計算になります。メールサーバの台数を増やして並列処理することもできますが、それらの用意と維持も大変です。
これらの課題を解決するのがSMTPリレーになります。
SMTPリレーとは
SMTPリレーは前述の通り、メールを別なメールサーバ経由で配信する技術になります。そして、SMTPリレーに特化したメールサービスを利用することで、大量のメールを素早く配信できるようになります。SMTPリレーを提供するサービスはどこもメール配信能力について書いているはずです。タイムセールで会ったり、時事的なメールを扱う場合、配信と届くタイミングが重要になります。タイムセールが終わった後に案内メールが届いたというのでは、受け取ったユーザが失望してしまい、マーケティング効果はマイナスになってしまいます。
そして、SMTPリレーを提供しているサービスは信頼度が高く、他のメールサーバからスパム判定されづらいという特徴があります。その結果、メールマーケティングにおいて相手のメールボックスに届く率が圧倒的に高くなります。自分たちでメールサーバを構築、運用しているよりも効率的です。
高い配信能力とスパム判定されない信頼性、この二つがSMTPリレーサービスを使う利点と言えるでしょう。
まとめ
メールマーケティングは相手のインボックスに確実に届いたところからはじまります。コミュニケーションサービスの場合もインボックスに届かなければ活性化させることができないでしょう。メールは一方的に配信でき、受け取り側も好きなタイミングで閲覧できるというメリットがある一方で、配信量がとても多いというデメリットがあります。
皆さんのメールが確実に届くよう、SMTPリレーの利用をお勧めします。もちろん、Customers Mail CloudはSMTPリレーを提供しています。メール配信でお悩みのことがありましたら、ぜひお問い合わせください!