Outlook など通常のメールソフトを使い、連絡網などにメールを一括送信する場合、 To や Cc に全ての宛先アドレスを記述する必要があります。しかし、この方法はメールアドレスの漏えいリスクが伴います。 宛先アドレスを Bcc に指定することで、To や Cc にはメールアドレスが記載されなくなりますが、 自分宛ではないメールが届くことになり、メール受信者が不審に思ったり、迷惑メール判定される可能性があります。
Mail Distributor は Windows で動作する一括メール送信ソフトです。 宛先アドレスを送信先グループと呼ぶ単位で登録した後メール本文を作成すると、 送信先グループに対して同じ内容のメールを一括送信することができます。 宛先アドレスは、To に 1つずつ設定され、1通ずつ個別にメールが送信されるため、通常のメールソフトのような、 アドレス漏えいや、不審なメールに判断されるリスクがありません。
Mail Distributor を使って、実際にメールを送信するためには、SMTPサーバーと呼ぶインターネット上にメールを 送信できるサーバーが必要になります。 企業で運用されているメールサーバーや、ISPが提供しているメールサーバーが利用できますが、 短時間に大量のメールを送信することを規制しているケースもあります。
Customers Mail Cloud はメール送信に特化した「SMTPリレーサービス」であるため、 Mail Distributor のような短時間に大量のメールを送信するソフトのSMTPサーバーとして活用することができます。
Mail Distributor のインストール
Mail Distributor はフリーソフトウエアとして提供されており、以下のページからダウンロード・インストールすることができます。
Mail Distributor の使い方
ここでは、Customers Mail Cloud を Mail Distributor の SMTPサーバーとして設定する方法を中心に、 一括メールを送信するまでの簡単な使い方を説明します。
Customers Mail Cloud へサインアップする
Mail Distributor を使ってメールを送信するには、インターネット上にメール送信ができる SMTPサーバーが必要です。 まずは Customers Mail Cloud のアカウントを取得し、DKIM や APIユーザーなどをセットアップします。 以下のページを参考に、Customers Mail Cloud へのサインアップ(※1)と初期設定を行ってください。
サービスを利用する | Customers Mail Cloud
※1)無料トライアルにて動作検証をした後、一括メール送信を継続的に行う場合は、有料プランを購入する必要があります。
SMTPサーバーを設定する
Customers Mail Cloud を Mail Distributor の SMTPサーバーとして設定します。
「設定(O)」メニューから「環境設定(O)」を選びます。
設定画面が表示されたら、メールの送信に使うSMTPサーバーの設定をします。
以下の項目を設定し、「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。
項目 | 値 |
---|---|
SMTP設定名 | メイン画面右の「SMTP設定」リストに表示される名前を入力します。 |
SMTPサーバ | 無料トライアルの場合、sandbox.smtps.jp 有料プランの場合、te.smtps.jp を入力します。 |
ポート(通常は25) | 10025 を入力します。接続できない場合、社内から社外へのインターネット接続で10025番ポートが利用可能かをご確認ください。 |
SSL | 「使用しない」を選択します。 |
送信元の名前 | 送信者の名前を入力します。メーラーの差出人の部分に表示されます。 |
送信元のメールアドレス | 送信元のメールアドレス(ヘッダFrom)を入力します。Customers Mail Cloud を利用する場合、DKIMを設定した送信ドメインを使用してください。 |
SMTP-AUTH認証を使用する | このチェックをオンにします。 |
ユーザ名 | Customers Mail Cloud で設定した APIユーザーを入力します。 |
パスワード | APIユーザーに設定したパスワードを入力します。 |
宛先アドレスを登録する
次にメールの送信先である宛先アドレスを登録します。 メイン画面の「アドレス帳(L)」メニューから「アドレス帳の編集(L)」をクリックするとアドレス帳画面が表示されます。
アドレス帳画面の「ファイル(F)」メニューから「新規アドレス帳の作成」をクリックします。
「作成するアドレス帳の名前を入力してください」とダイアログが表示されます。ここでは、"20170719_配信リスト"という名前を付けます。
アドレス帳の名前を入力して「OK」ボタンをクリックします。
アドレス帳画面の左にある、アドレス帳ツリーから、先ほど作成した"20170719_配信リスト"を選択します。 すると、アドレス帳画面右にメールアドレス一覧が表示されます。メールアドレス一覧から直接メールアドレスを入力することもできますが、 CSVファイルにあるメールアドレスを一括でインポートすることができます。
アドレス帳画面の「ファイル(F)」メニューから「CSVからのインポート」をクリックします。
ファイル選択ダイアログが表示されます。インポートするCSVファイルを選択します。
次に、アドレス帳のインポートダイアログが表示されます。
インポート元の Column Name と インポート先の Column Name をクリックして、「>>」ボタンをクリックすると、 CSVとアドレス帳のカラムが紐付けされます。 「OK」ボタンをクリックすると、CSVファイルの内容がアドレス帳にインポートされます。
メールを作成し、一括送信する
アドレス帳の登録が終わったら、メール本文を作成します。
メイン画面の「ファイル(F)」メニューから「新規メール作成(N)」をクリックします。
「作成するドキュメントファイルの名前を入力してください」とダイアログが表示されます。 ここでは、"20170719_定期メンテナンスのお知らせ"という名前を付けます。
メイン画面の右、Documentsツリーに “20170719_定期メンテナンスのお知らせ” が表示されますので、これをクリックします。
【メイン画面右】
項目 | 値 |
---|---|
SMTP設定 | 先ほど設定した SMTPサーバー “Customers Mail Cloud” を選択します。 |
送信リスト | 「アドレス帳を指定」をクリックし、アドレス帳画面の右にある Addresses ツリーから配信リストを選択します。ここでは、"20170719_配信リスト"を選択します。 |
【メイン画面中央】
項目 | 値 |
---|---|
件名 | メールの件名を入力します。 |
本文 | メイン画面中央のテキストエリアにメール本文を入力します。 |
SMTP設定、配信リスト、件名、本文に誤りが無いかを確認(※2)したら、いよいよメール送信です。
※2)設定ミスが無いかを確認するため、自分のメールアドレスだけを登録したテスト用送信リストを用意し、メール送信のテストを行うことを強くお勧めします
メイン画面の「実行(X)」メニューから「メール送信(S)」をクリックします。
確認ダイアログが表示されます。「はい(Y)」ボタンをクリックするとメール送信が実行されます。
終わりに
Customers Mail Cloud は、 Mail Distributor や、社内の業務システム、システム監視ツールが送信するアラートメールなど、 短時間に大量のメールを送信するソフトウエアの SMTPサーバーとして利用することができます。 メール送信にお悩みであれば、ぜひ当社サービスをご検討ください。