携帯キャリアの迷惑メール対策 ~第4回 softbank編~

皆さん、こんにちは。 前回は携帯キャリアのなりすましメール対策の記事から時間が空いてしまいましたが、今回は最後ということで softbank についてご紹介したいと思います。

【過去記事】

Softbank の迷惑メール対策設定について

まずは、softbankで設定できる迷惑メール対策についてご紹介します。

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迷惑メール設定画面

まず、softbank で設定できる迷惑メール対策の項目は以下のとおりです。
※携帯から設定する際の画面と、PCから設定する際の画面とでは設定項目の表記の仕方が異なります
※SMSの関連の設定は省きます

  • なりすましメール拒否設定

送信元のアドレスを偽って送られてくるメール (なりすましメール) を受信しないよう設定できます。どういう時になりすましと判断されて拒否されるのかは後述したいと思います。また、「なりすましメール救済リスト」を設定することで、テスト環境からのメールなどなりすまし扱いになると分かっていても受け取りたいメールがある場合に、個別に許可設定をすることも出来ます。

  • 受信許可リスト設定

指定したアドレスからのメールを受信するよう設定できます。設定するアドレスには「完全一致」「前方一致」「後方一致」「部分一致」が選択できます。

  • 受信拒否リスト設定

指定したアドレスからのメールを受信しないよう設定できます。受信許可リスト同様「完全一致」「前方一致」「後方一致」「部分一致」が選択できますので、スパム業者のドメインを指定してまとめて拒否する場合は、後方一致でドメインを設定する、という使い方になるかと思います。

  • ケータイ/PHSからのみ許可設定

PCメールは拒否し、携帯キャリアとPHSからのメールのみ受信することができます。

「携帯キャリアとPHS」がどのドメインを指すのか、公式ページでは見つけられませんでした。「iPhone/iPad, disneyケータイを含むSoftBank、docomo、au、E-Mobile、WILLCOM」と記載しているサイトもありましたが、該当端末を持っていないため、本当かどうか確認は出来ていません。

  • URLリンク規制

本文にURLが入っているメールを拒否します。URLが入っているメールは無条件で拒否するようです。そのため、au編でも記載しましたが、仮登録時の確認メール等も拒否されることになりますので、この規制を実施するのは現実的ではないかもしれません。

  • 迷惑メールフィルター

中身は分かりませんが、受信したメールを解析し、機械的に迷惑メールか判断して受信拒否するようです。 設定は「強」「標準」「利用しない」 Softbankのサイトには「設定を『強』にすると、自動転送メール/詐称されたメールアドレスやドメインからのメール/短縮URL・転送URL利用/空メールなどを拒否する」と記載がありました。

各項目の優先度

さて、先ほどの各設定にはやはり優先度があり、上記記載の順に優先度が高いものとなります。「なりすましメール拒否設定」が一番優先度が高く、「迷惑メールフィルター」が優先度が低いです。「受信許可リスト」に設定しているのにメールが届かない、という場合は、「なりすましメール拒否設定」で拒否されている可能性がありますので、なりすましメール設定内にある「なりすましメール救済リスト」にアドレスを追加すると、受信できるようになるかと思います。

かんたん設定

携帯から設定する場合のみとなりますが、softbank にも各項目を個別に設定するのが大変だという人のために、「かんたん設定」というものが用意されています。まずはかんたん設定を行ってから細かい設定を調整するというやり方もよいかと思います。

項目 初期設定 ケータイ/PHS設定 きっずオススメ設定
なりすましメール拒否設定 受け取らない 受け取らない 受け取らない
受信許可リスト設定 利用しない 利用しない 利用しない
受信拒否リスト設定 利用しない 利用しない 利用しない
ケータイ/PHSからのみ許可設定 利用しない ケータイ/PHSからのみ許可する ケータイ/PHSからのみ許可する
URLリンク付きメール拒否設定 利用しない 利用しない URLを含むメールを全て受け取らない
迷惑メールフィルター 標準 標準 標準

「きっずオススメ」→「ケータイ/PHS設定」→「初期設定」の順に制限が厳しいですね。「きっずオススメ」の場合、「URLリンク付きメール拒否設定」を設定していますので、URLが1つでも入っていたら拒否されます。フィッシングサイト等へ誘導するメールを拒否するのはもちろん、サイトへの登録・解除を行うための仮登録メールなども拒否することになるので、きっずは自らサイトへ等へ登録するのも制限していることになりますね。

なて、前置きが長くなりましたが、以下では、今回も「なりすましメール拒否設定」に焦点をあてて、具体的にどういう場合に受信を拒否されるのか、見ていきたいと思います。

なりすましメール拒否設定による受信拒否検証結果

まず、公式ページにはなりますましメールの拒否とは以下のことだと記載されています

なりすましメール拒否 送信元アドレス(Fromアドレス)を携帯電話・PHS事業者のドメインに詐称したメールを拒否できます。

説明によると、Fromアドレスがdocomoなどの携帯キャリアドメインになりすまされた場合のみ拒否するようです。ただ、FromアドレスがエンベロープFromなのかヘッダーFromなのかは明記されていません。

で、検証した結果は以下となります。

エンベロープFrom ヘッダーFrom 結果
SPF登録なし 正常 OK
PCドメインになりすます 正常 OK
携帯ドメインになりすます 正常 OK
正常 SPF登録なし OK
正常 PCドメインになりすます OK
正常 携帯ドメインになりすます NG

「ヘッダーFromを携帯ドメインになりすましている」場合のみ受信拒否となりました。 説明にある「Fromアドレス」とは「ヘッダーFrom」を指しており、公式ページの説明通りの挙動となっています。

ヘッダーFromが携帯ドメインになりすましていなければ、どんな状態でも受信されるので、docomoやauと比べても、一番規制が緩い気がします。

なお、softbankで受信拒否される場合、送信自体は成功するが携帯端末にメールが来ない、という挙動になります。 そのため、送信する側からはメールが本当に届いたのかどうか確認する術がないのが辛いところです。送信成功しているように見えて実は届いていない、ということが意外とあるかもしれません。せめて、auのように、エラーを返すかどうかの設定があればよいのですが、エラーを返すと迷惑メール業者に対策を打たれてしまうなどの理由で、この様な仕様になっているのでしょうか。

まとめ

Softbankは「ヘッダーFromを携帯ドメインになりすましている場合のみ受信拒否」という結果となりました。 受信拒否時にエラーを返さないのは厄介な仕様ですが、全体的に docomo, au と比べると、比較的受信しやすいように思います。

今回で携帯キャリアの迷惑メール対策シリーズは最後になります。今後、キャリア側の仕様が変わったというような情報が出てくれば、また調査・検証をしてみたいと思います。


【目次】携帯キャリアの迷惑メール対策

  1. 第1回 なりすましメールとは
  2. 第2回 docomo編
  3. 第3回 au編
  4. 第4回 softbank編