Exchange Online制限強化にどう対応する?Customers Mail Cloudのメールソリューションで解決!

2024年4月15日、MicrosoftからExchange Onlineに関する新しい発表が行われました。概要としては以下の通りです。

  • ERR(External Recipient Rate。外部受信者レート)を24時間あたり2,000受信者までに制限
  • 2025年1月1日より新規契約者向けに適用
  • 2025年7月より、既存契約者にも適用

本記事では、この制限の詳細と、これによるビジネスへの影響、そしてその解決策としてCustomers Mail Cloud(CMC)をご紹介します。

新規制の背景と概要

ERRとは、外部ドメインに対して送信できるメールの量を示す指標です。Exchange Onlineでは従来から1日で送信できるメールの数は10,000受信者までとなっています。それに加えてERR(外部ドメイン向けのメール送信)が2,000受信者までに制限されます。

この理由として、MicrosoftではExchange Onlineのリソースを不正、乱用されるのを防ぐためとしています。

Exchange Online to introduce External Recipient Rate Limit - Microsoft Community Hub

ビジネスへの影響

今回の制限によって、外部ドメイン向けの大量メール送信(メールマガジン、メーリングリストなど)は難しくなるでしょう。企業の個人アカウントからメールマガジンを送信するといった運用を行っている場合には対応が必要です。

2,000通というと大きいように感じますが、そのリソースを大量メール配信で消費してしまうと、本来送信すべき顧客へのメール送信などができなくなってしまいます。いざという時に困らないように、メールの種類によって送信方法を分けておく必要があります。

問題提起

規制の詳細とビジネス上の課題

今回のERR規制の詳細です。今回の規制ではメールが2,000通ではなく、2,000メール受信者になります。同じ受信者であれば、何通送ってもカウントは1になります。そして、従来からの1日10,000受信者(外部、内部両方)という制限は変わりません。

まず2025年1月以降の新規契約に対してこの規制が適用されます。この時点では、既存の契約者には影響ありません。そして、2025年7月〜12月の間に、既存の契約者についても徐々に規制が適用されます。すでに契約がある場合には、約1年以内に対応が求められます。

例では、受信者数のカウントは24時間保持されます。つまり、0時でリセットなどではなく、24時間経つとその受信者情報がなくなるといった具合です。

ビジネス上の課題としては、手軽に大量配信ができていた環境が使えなくなることを意味します。たとえばExchange OnlineのSMTPサーバーを使ってWebサービスなどからメール配信を行っている場合、その成長によって制限に引っかかる可能性があります。Outlookなどのメールクライアントであっても、担当者が持っている受信者一覧を使ったメールマガジン配信などは、制限に引っかかる可能性があるでしょう。

MSメールサービスとの比較

今回の規制に対して、MicrosoftではAzure Communication Services for Emailへの移行を提案しています。Azure Communication Services for Emailは、Azureのサービスの一つで、メール送信を行うためのAPIを提供しています。このAPIを使って、大量メール配信を行います。

そして、同様のサービスとしてCustomers Mail Cloudがあります。両者の簡単な比較は以下の通りです。

項目 Azure Communication Services for Email Customers Mail Cloud
価格 0.00025ドル/メール・$0.00012/MB お見積もり
API REST API REST API
SMTP あり あり

Azure Communication Services for Emailは従量課金となっており、メール送信数とデータ量によって計算されます。

解決策

Customers Mail Cloudの利点

Customers Mail Cloudは金融機関をはじめ、高いセキュリティ要件が求められる分野での採用が多くなっています。Exchange Onlineのように、高いセキュリティを求められる環境においても、安心してご利用いただけます。

また、Customers Mail Cloudでは大量のメール送信を最大300万通/時間という高速、かつ安全に行えます。配信したメールがエラーになった場合、自動的に配信を停止する機能も備えています。これにより、IPレピュテーションを維持し、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられるリスクを低減できます。

最近話題に挙がることの多い不正メール防止技術であるSPFやDKIM、DMARCにも対応しています。これらの技術を利用し、なりすましメールや不正メールによるフィッシング詐欺などを防ぎます。これによりメールの受信者を保護し、企業の信用を守ることができます。DMARCでは不正使用をいち早く検知し、対応できます。自社のメール環境を安全、セキュアに保つことで、顧客の信頼性とインシデント発生時の迅速な対応が可能になります。

セキュリティと信頼性の向上

Customers Mail Cloudではセキュリティと信頼性向上に力を入れています。

セキュリティ

Customers Mail Cloudは国内外の法規制に準拠し、特定電子メール法や個人情報保護法など、メール送信事業者として適用されるガイドラインをすべて遵守しています。また、クラウドサービスのセキュリティ国際規格であるISMS(ISO27001/ISO27017)の認証を取得しており、高水準のセキュリティを担保しています。

信頼性

Customers Mail Cloudはデータを国内の複数拠点に配置し、Active/Activeの冗長化を行っています。この体制はシステムの安定稼働とデータの安全を確保し、万一のトラブルが発生しても即座にリカバリします。また、24時間365日の無人監視と自動リカバリーシステムによって、トラブルの即時検知と対応を実現します。

こうした対策はメールという個人情報を扱うサービスにとって不可欠な要素です。

技術的課題への対応

Customers Mail Cloudではさまざまな技術を用いて、送信したメールがセキュアに受信者のメールボックスに届く仕組みを提供しています。その中から、三つほど紹介します。

SMTPリレー

SMTPリレーは、自社のメール送信サーバー(SMTPサーバー)の代わりに、Customers Mail Cloudのインフラを利用して外部ドメイン宛てにメールを送信する機能です。これにより、自社のメールサーバーを持たなくても、安定したメール送信環境を確保できます。

Customers Mail CloudのSMTPサーバーは強力であり、大量のメールを安定して送信できます。メールシステムは24時間365日の稼働が求められますので、Customers Mail CloudのSMTPリレーを利用することで、低コストに安定したメール配信環境が手に入るでしょう。

流量制限

メールは受信するプロバイダー(ISP)によって送信制限が異なり、大量メールに対してフィルタリングが行われます。Customers Mail Cloudは、この流量制限に対する対策として、メール配信を時間帯別やリージョン別に調整し、送信制限に引っかかるリスクを最小化しています。特に大規模なメールキャンペーンを行う際に、メールがスムーズに配信されることを保証し、メール配信の遅延やブロックを防ぎます。

メールトラフィック管理

メールトラフィック管理は、送信エラーが発生した際に自動でリトライするなど、配信成功率を最大化する技術です。Customers Mail Cloudを使うことで、担当者はメール配信における技術的な問題に頭を悩ますことなく、ビジネス活動に集中できます。

まとめ

今回はExchange Online制限強化と、その解決策としてのCustomers Mail Cloudについてご紹介しました。Customers Mail Cloudは、高いセキュリティと信頼性を持ち、大量メール配信にも対応しています。ぜひ載せ替え先として検討してください。 具体的な使用法としては、メールマガジンはCustomers Mail Cloudから、それ以外に関してはExchange Onlineから直接送るなどが望ましいと考えます。

また、今回のような規制は、Gmailの新ガイドラインのように各メールプロバイダーで実施されます。そして他のプロバイダーも同様の規制を行うようになることが多いです。Exchange Onlineを利用している場合だけでなく、大量メール配信を行っている際には、切り替えを検討すべきでしょう。

Customers Mail Cloudはそうした新しい規制にもいち早く対応します。安定したメール送信環境を実現するために、ぜひご利用ください。