Customers Mail CloudのWebhookは2種類あります。
- メール受信時
- メール送信時
メール受信時のWebhookはその名の通り、メールを受け取った際に任意のURLをコールするものです。この記事では添付ファイル付きメールを受け取った際のWebhook処理について解説します。
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フォーマットはマルチパートフォームデータ
Webhookの形式として、JSONとマルチパートフォームデータ(multipart/form-data)が選択できます。この二つの違いは、添付ファイルがあるかどうかです。JSONの場合、添付ファイルは送られてきません。今回のようにメールに添付ファイルがついてくる場合は、後者を選択してください。

GCPの準備
まずGCPにて関数を作成します。
今回はウィザードの中で、Python3系を設定しています。ローカルで開発する際には functions-framework をインストールします。コードをGCPでインラインに書くこともできますが、今回はローカルにて開発しています。
関数を作成する
関数のベースは以下のようになります。ファイル名は main.py です。
from flask import jsonify
import functions_framework
@functions_framework.http
def hello_http(request):
return jsonify({"result": "ok"})
この main.py を以下のように実行します。
functions-framework-python --target hello_http
これで http://localhost:8080/ を呼び出すと、hello_http 関数が実行されます。
送信されてくるデータについて
メールを受信すると、以下のようなWebhookが送られてきます(データは一部マスキングしています)。JSONにしていますが、実際にはmultipart/form-dataです。
{ "filter": "info@smtps.jp", "headers": [ {name: 'Return-Path', value: '<user@example.com>'}, : {name: 'Date', value: 'Thu, 27 Apr 2023 15:56:26 +0900'} ], "subject": "Webhookのテスト", "envelope-to": "user@smtps.jp", "server_composition": "sandbox", "html": "<div dir=\\\\\\\\\\\\\\\\"ltr\\\\\\\\\\\\\\\\">Webhookのテスト用メールです。<div>...</div></div>", "text": "Webhookのテスト用メールです。\\\\\\\\\\\\\\\\r\\\\\\\\\\\\\\\\n\\\\\\\\\\\\\\\\r\\\\\\\\\\\\\\\\n--\\\\\\\\\\\\\\\\r\\\\\\\\\\\\\\\\n...", "envelope-from": "info@smtps.jp", "attachments": 1, "attachment1": "...." }
Pythonのコード
以下のコードは main.py の中身です。
マルチパートフォームデータを取得する
multipart/form-data で送られてくるデータは request.form にて取得できます。これは Dict になっており、キーを指定してデータを取得できます。
request_args = request.form print(request_args['filter'])
添付ファイルの処理
添付ファイルの有無は request_args['attachments'] が0以上かどうかで判別できます。なお、日本語のファイル名はエンコードされているので注意してください。
添付ファイルは request.files にてアクセスできます。1つ目の添付ファイルは attachment1 、2つ目は attachment2 といった形になります。
if int(request_args['attachments']) > 0:
print(request.files['attachment1'].filename)
全体のコード
main.py は以下のようなコードになります。
from flask import escape, jsonify
import functions_framework
@functions_framework.http
def hello_http(request):
request_args = request.form
# request_args['filter'] などでアクセス可能
if int(request_args['attachments']) > 0:
# 添付ファイルあり
print(request.files['attachment1'].filename)
return jsonify({"result": "ok"})
Webhookの結果は管理画面で確認
Webhookでデータが送信されたログは管理画面で確認できます。送信時のAPIキー設定など、HTTPヘッダーを編集するといった機能も用意されていますので、運用に応じて細かなカスタマイズが可能です。

まとめ
メールと連携したシステムはよくあります。通常、メールサーバを立てて、その中で処理することが多いのですが、メールサーバが落ちてしまうとシステムが稼働しなくなったり、メール文面の解析が煩雑でした。Customers Mail Cloudを使えばそうした手間なくJSONで処理できて便利です。
添付ファイルまで処理対象にしたい時には、この方法を利用してください。
